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主にポケカと日記

今更ながら携帯小説「恋空」を読みました

どうもラクテです。
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今回は昔流行った携帯小説『恋空』を読んでみました。タイトルを聞いたことがある人も多いのでは?

まあ結論から言うと、クッッッッソつまんなかったです。

そもそも恋空ってなんだ?

2005年に小説投稿サイト『魔法のiらんど』にて公開されたいわゆる携帯小説というジャンルの作品で、翌年には書籍化され、その翌年には漫画化・実写映画化された携帯小説を代表する作品です。

内容自体はよくある男女の恋愛ものなのですが、あまりの内容のガバガバっぷりに不満を持った2ちゃんねらーにより、amazonに批判的なレビューが殺到し炎上する事態となってしまいました。

恋空のここが酷い!

ここから先の話はある程度予備知識があったほうがイメージしやすいと思うので、ざっと登場人物の紹介を。

美嘉

本作の主人公。竿役の男に振り回され続けるある意味かわいそうな人。ことあるごとに泣く。

弘樹(ヒロ)

主人公の彼氏竿役。セックスばっかしてる性欲猿だし竿役でええやろ…。

軽々と元カノを捨てて主人公と付き合ったり、学校をサボって主人公とセックスしたり、主人公の知り合いを退学に追い込んだり、図書室で主人公に種付けしたりと言動はDQNそのもの。

主人公を守る守る言う割には何もしないし、すぐ殺す殺すと過激な発言をする危ない人。

中盤から主人公を突っぱねてシンナーをキメたり乱交パーティーをしたりとやりたい放題やったが、終盤で「癌に侵され、主人公に自分を忘れてほしいからやった」とのたまう。この展開、ONE PIECEで見たことある!

アヤ

主人公の友人その1。チャラい。

しょっちゅう主人公と対立するが、割とすぐ仲直りする。

ユカ

主人公の友人その2。喋り方がムカつく。

タツヤ

本作の数少ない良心。竿役のせいで退学に追い込まれたかわいそうな人。それなのに電話で謝りに来た竿役を一瞬で許す聖人。主人公こいつと付き合ったほうがよかっただろ…。

ノゾム

主人公と竿役を出会わせた男。ある意味全ての元凶

主人公が竿役と別れた後、付き合うことになる関西弁の男。本作の登場人物の中では比較的常識人。

イズミ

主人公の友人その3。サバサバ系女子。

ヤマト

主人公の友人その4。ギャル男になったりワイルド系になったりと忙しい人。

シンタロウ

主人公の友人その5。イキリオタクのような外見をしている。

ウタ

後編から登場する、主人公の友人その6。ガイジ。

 

他にも何人かいますが、まあこいつらだけ覚えとけば概ね大丈夫です。ぶっちゃけ、無駄に登場人物が多いので全員書いてるときりがありません。

さて、ここからこの作品の酷い点を紹介していきましょう。

倫理観がガバガバ!

平気で授業をサボる、竿役がすぐ人を殴る…まあこれだけなら不良漫画だとありがちですが、

  • 自分たちの罪を他人になすりつけ、罪のない者を退学に追い込む
  • 図書室や河原といった公共の場でもお構いなくセックス
  • 未成年飲酒、無免許運転、薬物乱用といった少年犯罪

などと、登場人物たち、ひいては作者の人格を問うような行動ばかりが作中に出てきます。

その上、高校生が生でセックスして孕まされるのがさも偉いことのように書いているのが納得いきません。そんな歳で子供産んでどうやって育てるんだよ…。

 内容が薄っぺらい!

薄くて軽い携帯電話。かっこいいですね。

ですが、薄くて軽い携帯小説はどうでしょうか。そんなものに価値などありません。

内容の体感7割が主人公と彼氏のイチャイチャシーンで、読んでて非常に退屈だったので何度も読むのをやめようと思いました。

それでいて、シリアスシーンは何の脈絡も伏線もなく、イケメンとの恋愛、元カノの復讐、不治の病、愛する人の死…といった記号的なものばかり並べて、言いたいことが1mmたりとも伝わってこず、カタルシスのカの字も感じることができませんでした。

表現が稚拙かつおかしい!

語尾に♪、☆、↑などの記号をつけたり、チャイムの音や電話の着信音などをそのまま文字に起こしたりと、お前それ文字で表現できるだろと突っ込んでくれとばかりに漫画的な表現が出てきます。

また、「耳が痛くなるほど静かだ」のような矛盾しているような表現もちらほらあります。もうちょい日本語勉強してから書けや…。

あと、誤字脱字がとにかく多い!推敲をしていない証拠ですね。

 

しかし、この小説(なんて呼ぶと当時「低俗な文学だ」などと嘲笑われた夏目漱石にすらぶん殴られそうだが)の最もヤバイところは、

これを本気で面白いと思っている人がたくさんいる(いた)

ところだと思います。

この頃から、人はファストフード的な安っぽい娯楽を求めるようになっていたのかもしれませんね。

 

最後に

コミック版のレビューも検討しています。